幻の宝石マスグラバイトの魅力とは

「世界で一番珍しい宝石」と聞いて、何を思い浮かべますか?

ダイヤモンドやルビーなど、名前の知られた宝石は数あれど、実は「宝石好きでもほとんど見たことがない」と言われるほど希少な石が存在します。その名はマスグラバイト。今回は、街のジュエリー店ではめったに出会えないこの石の正体と、そこまで珍しい理由をご紹介します。

マスグラバイトとはどんな鉱物か

マスグラバイトは1967年、オーストラリアのマスグレイブ山脈で見つかった鉱物で、発見地の名前がそのまま石の名前になりました。成分はベリリウム・マグネシウム・アルミニウムの酸化物で、「ターフェアイト」というグループに分類される鉱物の一種です。専門的な成り立ちを覚えていただく必要はなく、「非常に特殊な条件がそろわないと生まれない石」というイメージを持っていただければ十分です。

色合いはグリーンやバイオレット、パープルが中心で、光にかざすとガラスのような透明感のある輝きを見せます。硬度はモース8〜8.5とサファイアに近く、指輪など日常使いのジュエリーにしても傷がつきにくい丈夫さも備えています。

なぜ「ダイヤモンドより珍しい」と言われるのか

マスグラバイトが属するターフェアイトという鉱物自体、スピネルという鉱物5,000個に対して1個見つかるかどうかという希少なものです。そのうえマスグラバイトは、ターフェアイトの中でもさらに10個に1個ほどしか確認されないと言われています。

実際、1993年から2005年までの十数年間、宝飾品として使えるレベル(ジェムクオリティ)のマスグラバイトはまったく発見されず、当時世界で確認されていた標本はわずか8つだけだったそうです。この背景から、パライバトルマリンやアレキサンドライトと並ぶ「石好きの憧れ」として語られることもあります。

街のジュエリー店ではなぜ見かけないのか

正直なところ、マスグラバイトのような超希少石は、当店のような街のジュエリー店でも実物を扱う機会はそう多くありません。市場に出回る数自体が極端に少なく、専門のジェムディーラーを通じて取引されることがほとんどだからです。だからこそ、もし縁があってこの石に出会えたなら、それはとても特別な出来事だと言えます。

カラーストーンの世界には、ダイヤモンドのような「わかりやすい価値基準」だけでは測れない奥深さがあります。名前すら聞いたことのない石にこそ、知れば知るほど惹き込まれる物語が隠れているものです。当店ではオンラインショップでも様々な色石のジュエリーをご紹介していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

マスグラバイトは、希少性においてダイヤモンドをも上回るとも言われる、知る人ぞ知る宝石です。今すぐ手に入れるものでなくても、「こんな石が世界にはあるんだ」と知っておくだけで、宝石を見る目が少し変わってくるかもしれません。

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